これは厄介だっていう説もあるけど

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英文法から読み解く関ジャニ∞『Do you agree?』のエモーショナル


関西ジャニーズJr.時代から歌い継がれており、8人が初めて演奏したこの曲。

2016年に満を持してCD化されました。

それまでは自力で聴くかライブのモニターくらいでしか歌詞をしっかり確認できなかったのですが、歌詞カードで確認できるようになって、ふと気づいたのです。

 

「My dream reaches for the skyだと思っていたら、My dreams reachedだったんだ!でも、なんで過去形なんだろう?」

 

そして全体を見てみたら、英詞の細かい部分にエモが隠れていたのでした。

では、順に見ていきましょう。

 Do you agree? - 関ジャニ∞ - 歌詞 : 歌ネット

 

※先に言っておくと関ジャニ∞は、「関ジャニ」と呼ばれていた関西ジャニーズJr.時代→大倉くん加入で「関ジャニ8」→デビューで「関ジャニ∞」という流れがあります。この記事ではその3つを区別して記載しております。

※( )内の和訳は私独自の解釈です。

 

I don't know what to do(俺はどうすればいいのかわからない)

黄昏た時の中で

 

主語はI。つまりこのフレーズでは主人公は一人なのですね。

 

黄昏は日没直後。太陽が沈んで夕焼けの名残の赤さが残る時間のことを言うそうです。

黄昏 - Wikipedia

 

Should I laugh or Should I cry(笑った方がいいのか、それとも泣くべきか)

階段を昇ろう

 

ここでも主語はI。

まだ主人公は一人なのです。

 

そしてBメロ。

I don't know what to say(俺は何て言えばいいのかわからない)

こんなにも浮かない顔

Should I laugh or Should I cry

太陽が見たいよ

「太陽が見たいよ」のフレーズは、Aメロの黄昏の部分と対応しています。

 

関ジャニ∞の原型となる「関ジャニ8」が結成される前は、三馬鹿と呼ばれる村上くん・横山くん・渋谷くんは嵐やタッキー達と並んでJr.黄金期を体験し、錦戸くんは東京で一人暮らしをしてエース街道をひた走っていたものの、徐々に「関ジャニ氷河期」と呼ばれる時代に突入。

内くん・丸山くん・安田くんはⅤ.WESTとして週1で関西ローカルの深夜番組レギュラーを持っていたのですが、ドラムとギターのメンバーが脱退。新番組が始まってしばらくしてから大倉くんがドラムで加入。そうして「関ジャニ8」が結成されたわけです。

この曲が初披露されたのは、まだ大倉くんがメンバーに加入する前。

(検索すると2002年12月と出てきた。ANOTHERの年の冬だ。)

まさに一度見た太陽が沈んで「黄昏」という時期の真っただ中に、この曲は生まれたのです。

 

大切な思い出や一点の曇りもない笑顔を

金色のフレームで優しく包もう

 「フレームで包む」ということは、おそらく笑顔はいくつかあるのかなと。

ここからAメロBメロで単数の主語だった「I」が、一人ではなくなったように伺えます。

バラバラに活動しながら黄金期と氷河期を経験した「関ジャニ」たちが集まって、一つの画面に収まったイメージ。

 

Do you agree?(おまえら、おんなじ気持ちやんな?)

今を飛び越えてそれぞれの天国を目指せ

地図には無い場所に何時しか綺麗な花が咲き誇るよ

 サビで2人称のyouが出てきました。

youは「あなた」「あなたたち」を表します。

私は勝手に、ほかのメンバーたちのことを指す「あなたたち」の意味で使われているのではないかなと思いました。

集まってきたのに「それぞれの天国」というのが不思議な感じがしますが、この曲が披露された当時はまだ大倉くんはメンバーではなく、「関ジャニ8」ではなかったのです。

つまり、「関ジャニ」である個々が集まって、「それぞれ頑張って行こうな」という意味合いで歌われていたのかもしれません。

 

そしてサビの最後のフレーズは

We are searching for the truth(俺らは真実を探してる)

主語がIからWeになったぞ~~!つまりもう一人じゃない!!

ちなみに「真実」の意味でいうとtruthは可算名詞。(真偽だと不可算名詞ですが)

ということは、ここで使われている「真実」は複数ではなく単数なのです。複数なら「truths」になるので。

それぞれのメンバーが真実を探しに行くのではなく、集まったメンバーで一つの真実を探しに行くということ。

つまり、「それぞれ頑張ろうな」と言いながら向かう先はひとつなのです。

何度も言いますが、これ、「関ジャニ8」が結成される前です。このあと大倉くんが入ってくるんです。

関ジャニ∞は、グループ結成前から「それぞれ頑張りながら一つの真実を探そうな」と歌っていたのです。

 

そしてラップ詞へ。

風のように線のように光のようにこの世界を走り続けよう

きっと平気さどんな時も僕らには

愛とか友情とか希望とか背中を押していてくれる物が

自分で思うよりもずっと沢山あるはずだから

信じていよう My dreams reached for the sky(俺の夢は天まで届いた)

 「この世界」というのは芸能界のことでしょうか。

ここでも主語は「僕ら」と複数形になっていますね。

そして締めの「My dreams reached for the sky」

 

ここやがな!!!

 

主語が「My dreams」ということは、一人が複数の夢を持っているということ。

それが「reached」ってことは、過去形なのです。

これからみんなでそれぞれ頑張って真実を探しに行くと言うときに、自分の夢はもう天まで届いた、叶ったと言っている。

私は勝手に、「みんなと一緒にやっていきたい、ステージに立ちたい、テレビに出たい、活動したい」そんないくつも見ていた個人の夢が、メンバーと一緒になることで叶ったということなのでは…と思っています。

 

そしてサビを繰り返したあと、最後は

今を乗り越えて曲がりくねった道を進もう

喜びや悲しみも何時しか綺麗な星に変わってくよ

We are searching for the truth

 で曲が終わる。

 

「今」というのは当時の関ジャニ氷河期のことで、そこを乗り越えていこうと。

Aメロで日没を迎えて太陽の見えなくなった空から、曲終わりのこのフレーズでは喜びや悲しみが星に変わって輝きを放つ夜空に変わっていく。

その星は「スター」の比喩でもあるようで、まさに氷河期の「関ジャニ」たちの覚悟でもあるようだなと思います。

そして「俺の夢は叶った(過去形)」と言ったあとで「俺たちは真実を探してる(現在進行形)」が出てくるので、さらに「これから皆でやっていこうな」という感じが際立ちます。

 

この曲の初披露から15年と半年ほどが経ちましたが、その間に、あのときいなかったメンバーも、今はいないメンバーも、これからいなくなってしまうメンバーも、この曲を歌ってきたんですね。

 

5/11に少年倶楽部で内くんが過去にエイトのことを想って歌詞を書いた「虹色の空へ」を披露しました。

収録日はすばるくんの脱退会見の直後でした。

翌週には丸ちゃんと電話をしたと日記に書かれていました。

それぞれの天国を目指しながらも、彼らは過去に8人を包んでいた「金色のフレーム」を大切にしてくれている気がしました。