これは厄介だっていう説もあるけど

すきなものについて雑多に語るブログです

10/19「まさに世界の終わり」東京公演とアフタートーク


観劇前に、フォロワーさんと念願の「松竹大谷図書館」へ行きました。

公益財団法人松竹大谷図書館

舞台の写真やプログラム、台本、関連雑誌などがたくさん所蔵されています。

普段は見られないような舞台の写真もたくさん見られて、懐かしくて、本当に楽しかった!!

とくに、公演中の舞台をシーンごとに撮影した全体像の写真が20~30枚ほどあって、チャプター再生のメニュー画面みたいで、当時の思い出がよみがえってきて、本当に楽しかったです!

 

そして、初めてのDDD青山クロスシアターへ!

初めての小劇場で最前列、しかもアフタートークも目の前で、こんなに近くで素の内くんを何分も見られるのも初めてで、とても贅沢な体験でした……もうこんなラッキーはなかなか起こらないかもしれない……

 

 

ネタバレあります。

 

 

順序良く語れないから、項目ごとに書く。

 

 

 

ルイの設定について

今回は、ルイが同性愛者かもしれないという視点で観た。

髪をなでつけるように耳にかける仕草も、内股で座っているのも、そうなのかなと思った。なんかくねくねしてるなぁと。

(でも内くんライブで歌うときもよく内股になったり、くねくねしたりしてるからどうなんだろうな~…)

カトリーヌとアントワーヌの子供に「ルイ」と名付けたという話のとき、自分の名前を二人が選んでくれたことに最初は笑顔を浮かべているのだけど、「あなたには子供がいないから」「アントワーヌが、あなたは子供を作らないだろうっていうんです」と言われた瞬間から、ルイの視線が泳いで落ち着かなくなって、すごく動揺する。

名古屋でもその動揺には気づいたけど、近くの席だともっと視線がきょろきょろ動いているのまで見えた。

鏡のシーンのセリフでも「一番ひどいのは、僕が恋をすること」とある。

(って翻訳本にあるけど、舞台でもあったよね、たぶん…脳みそが追い付かない…)

 

アントワーヌが異変に気付く

今回気づいて一番ビビッと来たのは、日曜日のドライブの話をするシーン。

みんながシャンパンを飲んでいる中、ルイだけがグラスに手を付けずに水しか飲んでいない。

母のグラスが空になってアントワーヌが注ぎにいったとき、ほかの人たちにも注いで上げようとするんだけど(日本だと嫁の役割である場合が多いのでフランス的だなと思った)、ルイのシャンパンが少しも減っていないのを見て、ルイの顔を見て、怪訝そうな表情を浮かべる。

無言なのに「こいつ全然飲んでないじゃないか」というセリフが聞こえてくるほどだった。

きっとこのとき、アントワーヌはルイの体調が悪いことを察知したんじゃないだろうか。

体調が悪いならお酒は飲まないだろうから。

これはルイも手を付けないでおく必要があるので、きっと正式な約束事なんだと思う。

 

これに気づいてから、アントワーヌの見方が変わった。

ルイが話そうとしてなかなか言い出せずいるときに「そういうお前のぐだぐだ話が嫌いなんだ」とか「お前は思い付きで帰ってきただけだ」とか「なんでお前がここにいるのか知りたくもない」といったセリフを吐くのを、ルイの心情も知らずに嫌なヤツだ!と思っていたのだけど、シャンパンのくだりが最後の「聞きたくない、怖いんだ」というセリフへの伏線だったように思えた。

 

ルイの仕返し

さきほどの、アントワーヌに病気のことを言おうとしたのに、「お前は思い付きで帰ってきただけだ」「聞きたくない」というセリフのあと、アントワーヌがルイを車で送っていくというシーンに入る前、ルイが心の内を話すセリフで「アントワーヌは僕を追い払いたいようだ」「口には出さないけど、僕はそのことでアントワーヌをあえて非難する」という。

このあとルイはアントワーヌに優しく接するので、何が非難なんだだろうと思っていたのだけど、今回見て、底意地の悪さがじわりと来ました。

このあと、よかれと思ってルイを送り届けようとしたアントワーヌと、ルイにまだ帰ってほしくないシュザンヌが喧嘩になる。

そこに優しいツラして火に油を注ぎまくるルイ。

「もっといいのは僕がここに泊まって、一晩過ごして…」とシュザンヌが望むようなことを言って、喜ぶシュザンヌに対してアントワーヌが「送るって言ってるんだ」と怒る。そこからどんどん喧嘩が大きくなって、取っ組み合いになる。

アントワーヌを ”落ち着かせようとして” ルイが優しく触れると、アントワーヌは「触るな!」とさらに激昂する。

もう、どっかでルイが笑みでもこぼすんちゃうかなと思って見ていた。その瞬間を見てやろうとすら思っていた。

こうしてどんどんアントワーヌを悪者に仕立て上げて、「ルイがかわいそう」と思わせることが、話を聞こうとしなかったアントワーヌへの非難なのかなと思った。

でも、アントワーヌは、急に帰ってきたことや、お酒に手を付けていないことに気付いたことから、ルイに対して気遣う気持ちは本当にあったんだろうと思ったし、このあともルイを「子供のときより心配になる」と言う。

子供のころから「愛されていない」が口癖のルイに対して感じていた遠慮や「愛さなければいけない」という義務感。

突然いなくなったルイを心配しなければいけない。

だって家族だから。

でもそういう義務感だけじゃなくて、本当に心配する気持ちもあるよって言いたかったんだと思うけど、もうルイはニコニコと話を聞いているだけだった。

私はそれを和解だと思って微笑ましく見ていたのだけど、アフタートークでの那須さんのお話によるとこれは愛想笑いだったようで、ルイはもう心を閉ざしてしまっていたらしい。

それをふまえて振り返ると、ルイって本当に外面と本心がバラバラだなと思った。

 

母の愛はルイにとって愛なのか

どうしても、内担だからルイの味方をしながら見てしまう。

お母さんは「あんたたちのことはなんでも知ってる」と得意げにわかったように話すけど、同じセリフの流れで「あんたがどこに住んでるのか知らないけど」って言うのが、すごく奇妙に思えた。

ルイが帰ってきたときカトリーヌとは初対面なのに、カトリーヌは「お花を送ってくれましたよね」って言って、名付けについてのシーンでは「(娘の)写真を送りましたよね」って言うの。

きっと出産祝いでお花をもらって、その返事として写真を送ったのかな。

そしたら、娘が8歳ってことなので、18年留守にしているけどカトリーヌは8年前にはルイの住所を知っていたことがわかる。

だから、「どこに住んでいるのかわからない」なんて、わからないはずがないんだよね。

もし、出て行ってから実家に送り続けていた短い手紙には居所がバレないように住所を書いていなくて10年も居所がわからなかったとしても、8年前には絶対に住所がわかったってことでしょ。わかった瞬間に会いにいったりしないのかなって。

ルイのセリフに「僕が望んでいるからって僕をいつも置き去りにした」「僕をそっとしておいて、僕など気にかけていないふりをすることが、僕をさらに愛することだって思いたいからなんだ」というセリフがあるのも、こういうところから来ているんじゃないかと思った。

母は、ルイが住んでいるところはわかるけど、ルイは放っておいてほしいだろうから会いに行かないというのが愛だと思っていて、住所も気にかけないようにしている。

でもルイは「それを愛だと思ってるんだろうが違うぞ、俺は愛されてない!」って思っていた。

ほな自分から会いにいけよ面倒くさいやっちゃなって思うけど、内担としては、やっぱりルイの味方をしながら見てしまうな。

それでいて母は「あんたたちのことはよくわかってる!」というスタンスだから、余計にルイは「いやいやわかってないし…」って思ってしまうのかもしれない。

 

最後のセリフの変更

最後のセリフが変更になっていた。

名古屋では「僕が残念に思うことになるのは、こんな感じで忘れていくことさ」という翻訳本と同じかそれに近いセリフだったんだけど、東京では「後悔」とか「取りこぼす」とかが入ったセリフに代わっていて、「えっ、これで終わり?」と思っていたら終わってしまった。

名古屋の前に本を読んでいたから、名古屋では「あ、これ最後のセリフだ」と思ったので、間違いではないと思う…

「~さ」っていう言い方がすごく好きだったので残念だけど、「後悔」しているという気持ちが伝わりにくくて変えたのかなと思った。

 

シュザンヌの祝砲

シュザンヌが「祝砲!ドーン!」ってルイに撃つ真似をしたとき、ルイが戸惑ったような沈黙のあと「……? うっ(><)」って撃たれた真似をするのがSo cuteでした。

(でもこれも、そうするとシュザンヌが喜ぶだろうっていう計算してのものなのかな…)

 

 アフタートーク

順序もたぶんバラバラだし言葉はニュアンスですが、内容だけでも覚書ってことで。

登壇は石丸さち子さん、内くん、那須佐代子さん、鍛治直人さんの4人。

内くんは黒のジャージに黒のクロックスという、完全リラックススタイル。

自己紹介も「うちひろきで~す」とダラーンな感じで、もうちょっとしっかりしてや!ほかのファンの人もおるで!って感じなのだけど、よくよく見てたらまだ内博貴に戻ってない感じで、すごく暗くてドヨーンとしていて、内くん早く帰ってきて~!って思った。

石丸さんにも「普段は気のいい大阪の兄ちゃんなんですけど」と言われていて、本人も「スイッチのオンオフが難しくて、終わってからも引きずる」ということでした。

そのあと、話したり笑ったりしているうちに、だんだん内博貴が戻ってくる様子が目に見えて、「よかった、内くん帰ってきた」って感じた。

 

内くんのスイッチの話

「内くんは普段明るいけど、どうやってスイッチを切り替えてるの?」という問いには、ベッドに寝て出てくるところから切り替わっているとのことでした。終わってからが切り替わりにくいとのこと。

 最近しょっちゅう追いかけられる夢ばっかり見ているそうで、「最初うなされて起きるじゃないですか。ほんまあんな感じで起きる」「病気なりそう」「最終日まで、病気ならんようにがんばります」と言っていました。

本当に、出てきた瞬間が内パラでファンのことおちょくったり、楽しそうに歌ってた内くんとかけ離れていて、ズドンと来てる、スイッチが切り替わらない、というのを実感しました。

でも、開演前は鍛治さんと楽しくお話しているらしい。

二人は同じ楽屋で、2公演の日は「おはようございまーす!」「夜イチがんばりましょ!」と挨拶しなおしてマチネをなかったことにするらしい。それを5回くらいやって、「これいつまでやります?」ってなる。「でも体は正直」と内くん。

 

おばけちゃん

内くん「兵庫の二日目が一公演しかないのにめっちゃ疲れた。ラガルスが見に来た!劇場っておばけちゃんがいるじゃないですか?俺昔から霊感っていうか六感があるんですよ。(鍛治さんに、今日は何人いる?と聞かれて)今日はいませんね」

この見出しをつけたかっただけです。

 

内くんとルイについて

石丸さんの「内くんはいいとこの家の子だと思うけど、屈折してるルイのことどう思う?」と問いに、内くんは「わかんないっすね!最初、『メッセンジャーになって!』って決めて家族に言いにいくけど、やっぱり言えないじゃないですか。内家だったら、最初のモノローグ10分喋って、ピンポーン押して、おお博貴ひさしぶりどうしたん~ってなって、俺来年死ぬねん~、まじか~!、暗転、おわり!内家だったら5秒で終わります。1日10公演ぐらいできますね。」

 「ラガルスと友達になれそう?」という質問には、「なれませんね!よくもこんなん作ってくれたなと!」(敬意を!払って!笑)

また、「普段人と話してる時って全部はしっかり聞いてないと思うんだけど、家族と話してるシーンではきちんと聞いてるの?」という石丸さんの問いに、「ちゃんと聞いてますよ」と内くん。「だから聞いててズドンってくるし、お母さんと話してるシーンでもいつ言おうと思いながら聞いてるけど、やっぱりお母さんには言えないなって思う。で、お兄ちゃんに言おうと思うんだけど、お兄ちゃんにも突き放れて、やっぱり言えなくて…」(この話どう終わったか忘れた…)(自担)

那須さんはこのルイの流れについて、「せっかく言おうと決めて来たのに結局だれにも言えなくて、心を閉ざしちゃって、最後に家族みんなでテーブルにいるシーンでアントワーヌの言うことをずっとルイが作り笑顔で聞いているのを見ると心が痛い。でもお母さんはルイが死ぬことを知らないから、帰ってきたときはうまくいくかもって期待して、でもやっぱり心を開いてくれないなって思って、もしかしたらまた今度来てくれて今度は心を開いてもらえるかな、と思ってる」とのことでした。

そして、みんなルイが死ぬことを知らないから、それを知ったあとが悲惨だよね、というお話もありました。

 

那須さんの役作りについて

「再会したときの反応が日によって微妙に違うけれど、どんなふうに演じているのか」というお話。

「入ってきたときのルイの表情にもよるし、日によって違う。お母さんだから、もちろん嬉しいけどアントワーヌやシュザンヌのことも考える。あんまり喜んだらアントワーヌはいい気がしないだろうから、出さないようにもする。」

「18年も会ってないってことは14歳くらいで記憶が止まっているから、こんなに綺麗に成長した息子がいきなり帰ってきたらドキドキするのかな?お母さんだからドキドキしないかな?どんな気持ちになるかなと思って、内くんがそれくらいの時の写真をネットで探して、デビュー当時とかの画像をスマホに入れて見てます」(内「なにやってんすか」と恥ずかしそう)

あのギャルな内くんの写真が那須さんのスマホに…と考えたらすごく面白い。

ちなみに、初めましてのときは綺麗な顔でどきどきしたそうです。笑

 

鍛治さんについて

舞台中は乱暴だしルイに向かって嫌なこと言うし話も聞いてあげないから、アントワーヌは怖い人だと思っていたのだけど、登壇のときに鍛治さんが窓から入ってこようとしているのを見て、ご本人はおもしろい人だ!とわかって安心しました。笑

内くんのこと「博貴」って呼んでて、仲の良さが伝わってきた~!

この舞台のあと、アントワーヌとカトリーヌはルイを送り届けて、「あ…じゃあ」と気まずい感じで別れるだろうけど、そのあと車内でカトリーヌに平謝りだと思う、とのことでした。笑

あと、お友達が観に来られたときに「アントワーヌが一番まともだよね」とおっしゃっていたそうです。

そうなのかな…私は口数が少ないから、あんなにルイにも家族にも怒鳴りちらかすアントワーヌは怖いと思うし、なんでそんなこと言うのって思うことが多い。

一家を仕切っていかないといけない男の人から見たら、また見え方が違うのかも。

石丸さんはカトリーヌをフランス人女性らしい強い女だと思っていて、きっと将来アントワーヌは捨てられて、若い男とくっついて、強く生きていく。『カトリーヌ』というスピンオフをしたい、というお話もあり、「アントワーヌかわいそう」と鍛治さん。

 

 

ラガルスの話 

ラガルス自身も自動車工業の盛んな町に育って、家族もその仕事で恩恵を受けていたというお話もありました。家庭環境も、実際のラガルスのものと劇中のものと、重なっているようす。てことで、病気もやはり重ねて考えてよいのかな…と思いました。

 

 

あとは11月に観劇の予定です。

ひとつマチソワ連続の日を作れたので、1日2公演の疲労感も体験できるのが楽しみ。(演じる側の比ではないに決まってるけど)

 

 

当日券も出ているようなので、気になる方はぜひ! 

www.stagegate.jp

 

 

 

前回、名古屋公演を観劇したときの記事。

pink8er-hana.hatenablog.com