これは厄介だっていう説もあるけど

すきなものについて雑多に語るブログです

内博貴をいつまでもキュートな浪花のプリンスだと思っていたら大間違いだ


と、言われた気がした。

舞台「まさに世界の終わり」を、10/4に名古屋市芸術創造センター、10/19にDDD青山クロスシアターで観劇した。

 

\ 一般チケットまだ残席あります!ぜひ! /

www.stagegate.jp

 

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去年の舞台「コメディ・トゥナイト!」については「かわいいハニトー内博貴が松竹座に帰ってきた!」と大騒ぎしたけれども、今回はまるで正反対。


内くん自身も「難解」「不得意」「はげるんちゃうか」とボヤいていたけれど、私のほうも、ここまでセリフと感情をストレートに受け取るだけではない舞台を観るのは16年の内担歴の中で初めての経験だった。

私にとって内博貴は、歌声に惚れこんで担当になったアイドルだった。

中学生のころ深夜のローカル番組で歌う彼を見て、この歌声をもっと聴きたいと思ってデビューを待ち、CDを買い、無期限謹慎に泣かされ、ライブの有無に一喜一憂しながらここまできた。


正直、ストレートプレイの舞台は私が求めるものとはちょっと違っていた。

内博貴にはキラキラした衣装を着て、どまんなかで気持ちよさそうに歌っていてほしいという願望が強かった。

のびやかに甘い歌声を響かせる内博貴が大好きなんだ。

色んな役を演じる自担を楽しめるお芝居も好きけど、ライブをしてほしいという思いのほうが大きかった。

 

でも、今回の舞台ではそれを微塵も感じない。

 

ルイを生きる内博貴のこめた設定や思いを読み取りたい、それぞれの登場人物が何を考えているのか知りたい、そんな気持ちで食らいつくように観劇して、予定していたよりもチケットを増やしてしまった。

ぶっちゃけ、「楽しい!サイコー!やっぴー!」と手放しでエンジョイできる舞台ではない。

余命一年を申告されたルイが家族に告げるために実家に帰るも、なかなか言い出せない…という内容で、自担本人も「終わった瞬間、言わんのかい!って思う」と言うほどで、話の展開的には、わかりやすいものを求める私にはモヤっとするものだ。

でも、その中で「言えない」「知るのが怖い」「言わせなかったことを後悔しろ」という気持ちを含む彼らのやり取りの意図を読み取ろうとしながら観劇することはとても刺激的で、頭がいい意味ですごく疲れて、いままで経験したことのない充足感を味わえるものだった。

 


ここからネタバレも含みます。

 


ベッドの上で悪夢にうなされて何かを掴もうと飛び起きる登場のシーンでは、苦しんでいるはずなのに美しくてエロさすら感じてしまう。開始10秒で内博貴の魅力・色気が全開。

そして帰省の道のりという設定で客席をぐるりと一周する。

これはDDDのみの演出で、ただでさえ約200席の狭い会場なのにさらに内博貴がすぐ近くまで来る。いい匂いがするともっぱらの噂です。

家族の前では優し気な愛想笑いを見せるけど、本音独白のシーンでは死への恐怖と孤独に苦しんだり、自分を愛してくれない(と思っている)家族に憎悪を募らせたり、家族を操りたい(自分の死を知って悲しんでほしい)と邪悪な考えをめぐらせたり…

 

とにかく、優しい笑顔だけではなく、恐怖、悲しみ、苦しみ、怒り、憎悪、寂しさ、色気、さまざまな表情の内博貴を堪能することができる。

かわいいだけ、かっこいいだけだと思っていたら大間違い。

急に知らなかった側面が次々と現れたように感じて、内くんってこんな人だったっけ…と嬉しい戸惑いを覚えた。

こんなにも複雑な感情を目まぐるしく使い分け、表現する内博貴を見るのは初めてで、すっかりこの舞台の虜になってしまった。

「言えない」ということが主軸であるぶん、その感情に隠された気持ちまで推し量る余地があり、もしこういう設定だとしたら、こういう背景があったとしたら、と無限に思いをはせられる。

難しいとぼやく自担がここまでどれだけの努力をして膨大なセリフを覚え、役のことを考えて気持ちをこめてきたのだろうと考えるのも楽しい。

自担から、そういう話ももっと聞いてみたい。

 

しかし、そういうのを楽しみにしていた今週更新のブログの内容は一週間長いわ~というボヤキと、「秋刀魚おいしかった!スーパーの秋刀魚めっちゃ安くない!?」と鮮魚売り場の秋刀魚の写真がアップされるという庶民感あふれるもので大笑いした。

アイドルからスーパーの魚写真を見せられるとは思わなかった。

夫かよ。

ていうか写真なら自撮り載せてくれよ。


アフタートークの回では役が憑依してしまったように暗くて消耗していた様子で「内博貴が帰ってきてない」という印象を受けたほどで、私もルイが暗く苦悩する姿を自担に重ねてしまっていたのだけど、ブログは相変わらずで、内博貴健在だなぁと思った。

 

 

この舞台についての考察(と呼べるか怪しいけど)はこちらの記事をご覧ください。

pink8er-hana.hatenablog.com

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