これは厄介だっていう説もあるけど

すきなものについて雑多に語るブログです

劇団時間制作「こっちとそっち」を観劇しました


広瀬斗史輝さんが出演されている「こっちとそっち」を観劇しました。

 

stage.corich.jp

 

小劇場でお芝居を観るのはあまり経験がないので、かなりキョドキョドしながら行きました。

学生のころに一度先輩の舞台を観に行ったくらいだ。

 

舞台のテーマは「地域差別」

 

アパートの複数の部屋が舞台上にあって、どこかの部屋で何かが起きているときも他の部屋ではお芝居が続いていて、おもしろかった。

そのぶん、情報量が多すぎて頭がいっぱいいっぱいでした。目まぐるしい。

4つの部屋の人たちの状況、セリフ、気持ちが繋がっていっぺんに入ってくるので「おおおお?!」って感じだった(語彙がない)

 

実は先週ちょうど引っ越しを考えていて(なくなったけど)、周りの人に「引っ越し先の地域のことちゃんと調べておいたほうがいいよ」って言われて、別に家賃安くて交通の便がよかったらどこでもええやんと思ってたんだけど、こういう問題がある場所が本当にあるのかなぁと思った。思って、調べてみたら、どうも母親の実家の地域や幼稚園を卒園するまで住んでいた場所もそういう場所だったらしい。いま知った。

幼稚園のころ、母の実家にもよく行っていた。

いまは開発でなくなってしまったけど、木造の家が多くて、落ち着くところだった。

向かいには桃の木を育てているおばちゃんがいて、近くには木製の滑り台のある公園とも呼べない広場があった。近所の市場でセーラームーンのカードを買ってもらった。おばあちゃんの家は木造で歩くと床がきしんで、そのたびにファミコンがプツプツ切れて、よくいとこの兄ちゃんに怒られたものだった。砂壁にキラキラのラメが入っていて好きだった。そんなことを思い出した。

特に母から地域がどうこうとか差別の話は聞いたことないし、小さい頃に他人から何か言われたとか、逆に「あの地域の子はどうのこうの」という考えを植え付けられたこともない。子どもから見れば、おだやかな地域だった。

 

昔の差別が根付いていて、今も残っていて問題視されているっていうのは、正直私はよくわからない。

子供の時も意識したことはないし、大人になった今でも「あの地域は〇〇だよ」とか言われても、「へ~そうなん、だからなに?」ぐらい、ピンとこない。

肉屋とかで生き物の命を扱っていたからというのが理由というのは知ってるけど、いまどき肉屋だからって差別する感覚もわからないし、食べ物供給してくれてありがとうと思うし、昔それがあった地域だからといって、なくなった現代でも差別するという感覚もわからない。「だから何?いつの話してんの?」って思う。

こんなぼーーっと生きてるやつがこんな真面目なテーマの舞台の感想を述べて大丈夫なんだろうかと心配なのですが。

 

私の中にも偏見や差別がまったくないとは思わないけど、「〇〇人はこう」「〇〇出身の人はこう」ってひとくくりにする人って、なんか、短絡的でバカだなって思う。

いままでの社会生活の中で、外国人も、病気の人も、障害がある人も、LGBTと言われる人も、いろんな人がいたけど、「〇〇だからこう」ってひとくくりになんてできないし、しようとも思わない。

いい人でありたいわけではなくて、「みんな違ってみんないい」ってわけでもなくて、「好きな人は好きだし嫌いなヤツは嫌い」っていう、それだけなんですけど。

 

生徒会長のさえちゃんみたいな「私はあなたたちを差別しません!」っていう無理やり近づこうとするタイプは明るい差別だなぁと思う。

別にそんなこと気にせず、仲良くしたかったらすればいいし、したくなかったらしなけりゃいいだけの話なのにね。

 

地域差別のことは大学のゼミで少し触れたことがあって、そのときも、私は「差別反対!」とか言わなかったらその地域が差別を受けてるなんてこと全く知らないのに、それを言い続けるから消えないんじゃないかなって思ってた。ていうか、そのときに初めて地域差別というものを知った。

「騒がず黙ってろ」ってわけじゃなくて、昔あった差別が根付いてるって言っても子どもにそれを教えなかったら知らなくなるわけで、なのにずっと言い続けてわざわざ消えなくしているような気がする。

舞台の中での、お母さんはそういう人だなと思った。

お母さんは子供たちのために「差別反対!」と運動をしているけど、子どもからしたら、「逆にそんなアピールせんといてや」って気持ちなんじゃないかな。

いや、でも自分がそういう状況にいないだけで、実際その立場になったら何もかもを差別に感じて、抵抗せずにはいられなくなるんだろうか。

 

私は登場人物の中で言ったら、チェンの立場かなぁと思う。

「好きで楽しかったらそれでいいやん~」くらいのノリで。

広瀬さんの役の優生くんは彼女と喧嘩しても一生懸命歩み寄ろうとしてたけど、私だったら喧嘩の時点で「地域どうこうの前に性格合わんわ!」と思って出ていくな……

地域の人たちが「差別されている」と卑屈になりすぎることで、「外側の人」を差別する(本人たちはそれを差別だとは思ってない)ということも、実際にあるんだろうなぁと思った。

 

終わってから面会があったのがカルチャーショックで驚きました!

お見送り的な流れ作業かと思っていたら、客席のあちこちでキャストの方々とお客さんが話し始めたので、なにが起こってるのかと思った。

せっかく広瀬さんと直接お話しさせていただける機会だったのに、多すぎる情報量に処理が追い付かないのと、自分にピンとこない問題がテーマだったのと、緊張とで、ありがとうございましたbotと化した。めちゃくちゃ優しく対応してくださった~!

 

ピンとこない問題と書いたけど、ピンとこないままいろんな人に出会える社会になるのが一番いいんじゃないかなと思う。

「差別をなくそう!」って躍起になったり、あからさまに「あの地域は〇〇だから」って言うより、「差別?なにそれ?」って思える状態が一番「差別がない状態」だと思う。

(どっち側の気持ちもわからないからお気楽すぎて当事者の方々の神経を逆撫でするような言い方だったら申し訳ないですが)

 

来月も、広瀬さん出演の作品を観に行きます!

今度は映画で、劇団がテーマの作品。

今回、小劇場に行くのも劇団のお芝居を観るのもほぼ初めてで、いろいろなことがカルチャーショックで楽しかったので、そういう世界を覗き見できるのかな。

それとも似て非なるものなんでしょうか。

わからないけど楽しみ!!

 

映画『パラレルワールド・シアター』公式サイト

 

youtu.be