これは厄介だっていう説もあるけど

すきなものについて雑多に語るブログです

「ありえた未来」に思いを馳せて殺される


 12/15に映画『パラレルワールド・シアター』の試写会と交流会に参加させていただきました。

 

あらすじ

 東京の小劇団「クオンタムフィジックス」の主宰・佐々木は、30歳を目前に控え、グダグダになっていた劇団を立て直すために3年ぶりの本公演を打とうとする。
それは、パラレルワールドを行き来する時間旅行者たちが、最後のタイムトラベルを通して破滅していく、悲しい運命を描いたSF作品だった。
しかし、相棒として旗揚げから一緒に活動してきた看板女優の中川はすでに就職。他の現役メンバーや元劇団員も、それぞれ割り切れない想いや事情を抱えていた。
商業現場との板挟み、バイトとの両立、劇団運営のスタンス、そして人に言えない恋愛模様…。
果たしてギリギリの若者たちは、失われかけていた「ありえた自分たちの未来」を、この演劇を通してつかむことができるのか?
彼らのふたつの物語が、たどり着く結末とは……。

引用元:映画『パラレルワールド・シアター』公式サイト

 

youtu.be

  

あらすじを初めて読んだ当初から「3年ぶりの公演ってエモいな…(4年ライブがなかった自担に重なる)」と思っていたのですが、終わった瞬間、堤監督にお伝えした感想一発目は「しんどい」でした。

 

ネタバレを避けながらだと本当に何も話せないのですが、そしていきなり別界隈の話で非常に申し訳ないのですが、私の「しんどい」の前提として、私がこの映画を観るまで過ごした2018年のジャニーズ界隈の話をすると…

・自担の活動が全然なく虚無の毎日を過ごしていた真っ只中に関ジャニ∞渋谷すばるの退所が発表

・覚悟して迎えた6人態勢のライブが台風で中止

・やっと自担のライブが決まったかと思えば「最後かも」と言われる(しかし完売しないチケット)

・デビュー当時から夢見ていた関ジャニ∞海外公演では結成当時のメンバーが二人も欠けていて楽しいのと切ないのと

・大晦日のカウントダウンコンサートに自担の名前が無くて結局出るのか出ないのか観測してみるまでわからない

そんな2018年でした。

一年の「しんどい」総集編かと思った。

 

交流会で「誰に共感したか」という話があったのだけど、私は観客の立場で受け取っていたので、この劇団のファンだったらきっと最初のラジオのシーンで「公演やります!」って発言にワーッと盛り上がってワクワクしただろうし、でもそのあとは最後の部分しか見えない立場だと思うので、そのときの気持ちを勝手に想像したりして、ちょっと泣いた。

裏で色んな問題が起こっていても客は発表されたことしかわからないし、それすら方便である可能性もあって本当のことは知りえないという虚しさ。

そして、あらすじにある「ありえた未来」というキーワードが大きな意味を持つラストシーンの映像はさらに「あ~~!!!!」って感じでした。そこでもうちょっと泣いた。(ネタバレせずに言うのめちゃくちゃ難しい)

その「未来」めっちゃ願ってるやつ~~!!!って思う、わかる。わかる……

 

本編と劇中劇が交差しているのがとてもおもしろかったし、その劇のシーンが持つ意味や最後にそもそも交差していた意味がわかったときに、「は~~~~~そういうこと……」ってなった。

 

観客の立場としては、応援したくなるのは佐々木さんと星野さんだなぁ…と思った。

うまく噛み合わないけど、劇団を存続させようという必死感があって、頑張って…!という気持ち。

広瀬さん演じる吉沢さんは、最初はバイトとの板挟みで頑張ってるのを応援していたのだけど、推しフィルターもかからなくなるほど最終的に一番ないわ~と思った人物でした。(ひどい)

でも役についての悪口言ったら、お芝居としての誉め言葉になっていたようだったので安心しました。

そう思えるほど映画の世界に引き込まれてたってことです。

ほかにも、この人はこうだったとか事細かに書きたいけどネタバレに関わることばかりで書けないのがもどかしい。

 

映画が終わったあと、2時間の交流会がありました。

クラウドファンディングが始まったときから「なにそれ!楽しそう!行く行くー!」と秒で申し込んだはいいものの、日が近づくにつれて「推しと喋れる状況で2時間過ごすの普通に無理では…」とびびり倒していました。推しに話しかけていい文化に生きてない。

行ったら他の参加者の方は堤監督とお知り合いで、完全に部外者なの私だけでめちゃくちゃに緊張したのですが、みなさん優しく話しかけてくださって本当に助かりました……

お酒飲みつつ、ご飯をいただきつつ、キャストや関係者のみなさんといろいろお話しをさせていただきました。

 

そこで驚いたのが、ツイートやブログで作品について言及していることに対していろんな方からお礼を言っていただいたこと。恐れ多いですが、嬉しかったです。

意外と見られてるんだなと思った。

どんだけ好き勝手言ってんねんコイツって感じですよね…(ネガティブ)

楽しかったことは残しておきたいし、好きなことの話はちょっと聞いて~!って書きたいし、それで応援になるなら嬉しいことです。

でも「エゴサで見られる可能性」だったのが「実際に見てくださっている(らしい)」と実感したので、ちょっと、もうちょっとちゃんとしよ…とは思いました。

 

交流会では壁にずっと映画の映像が映し出されていて、作り手の側の皆さんのこだわりや裏話を聞けたり、応援上映っぽいことになったり、とても楽しかったです。

作っている人たちのお話を聞ける機会ってなかなかないので、楽しかったなあ。

堤監督は作品紹介の文で「まだ何者でもない」と書いていたり「大人の文化祭」と言っていましたが、私にとっては経過も作品も全て含めて今年一番おもしろい映画でした。

テーマもお話も見せ方もおもしろかったし、クラウドファンディングも、エキストラも、制作の工程を覗けるのも、試写会も、交流会も、全てが新鮮でわくわくしました。来年もまだわくわくできるのすごい!

 

集合写真にも混ぜていただいたよ~!うれしい!!

 

 

 

しんどいしんどい言ってたけど、とてもおもしろかったです。

結末を知ったうえでまた見返したい。