これは厄介だっていう説もあるけど

すきなものについて雑多に語るブログです

それはコメディの皮を被った、「不要不急」へのアンチテーゼ #天ステBTTJ


広瀬さんが出演する『天才てれびくん the STAGE ~バック・トゥ・ザ・ジャングル~』大阪公演を観劇してきました。

 

www.tvkun-stage.com

 

あらすじ(公式サイトより引用)

この世界から、てれび戦士が消えていく…。
残された矢部昌暉長江崚行伊倉愛美千葉一磨の4人は、謎の機械に閉じ込められた茶の間戦士トレーニングロボ・マーヴェラス西川(西川貴教)に、「世界から失われつつある"娯楽"を取り戻せば、仲間たちがもどってくる」と告げられる。
マーヴェラスの力で飛ばされた先は…マンモス出現!大昔のジャングルだった…。娯楽を禁止された村から逃げて来た少女ミーサ(乃木坂46・伊藤理々杏)と出会うてれび戦士たちだが、追いかけて来たモリノ(健人)、ウギラ(加藤 将)、ムラナガ(チャンカワイ)、そして村長のハムラ(伊藤裕一)に捕らえられ、大ピンチに!
ジャングルで繰り広げられる娯楽奪還大作戦!! ここに開幕!

 

天てれ生田斗真ウエンツ瑛士世代なのと、あらすじを読んで「子供向けなんかな…楽しめるかな…」と思って、ちょっと不安を覚えたのが正直なところですが、一方で、2019年に広瀬さんが出演していてめちゃくちゃおもしろかった『THE BANK ROBBERY!』の小林顕作が演出ということで、たぶん今回もちゃんとおもしろいはず、という安心感もあった。(広瀬さんもたびたび「小林顕作さんの作品だよ!」と推していたし)

 

結果ね~~~~

 

めっちゃくちゃおもしろかったです!!!!!

 

 

※ ネタバレばっかりします ※

 

 

 まず、いままでペンライト使用可の舞台に入ったことがなかったので、ペンライト使用可なところに驚いた。

広瀬さんの現場でペンライトを振ることなんてそうそうないので、喜び勇んで買いました。

推しにペンライト振るの楽しい~~~!!(当然の感想)

曲もダンスも、天てれがテーマということでポップな曲が多くて、アイドルのライブみたいで楽しかったな。ライブに行きたい欲が少し満たされた。

ハムラの「ERASE THE ENTERTAINMENT!」って歌ってるロックっぽい曲と、愛美の「お腹がピーヒャラピー」みたいなトンチキ曲が好きだった。回文の歌も振付がかわいかった。

 

ちなみに広瀬さんの推しポイントは、最初の戦闘シーンで焚火を持ち上げて移動させる→させたあと、ずっと熱そうにしているところが、相変わらず芸が細かいなと思った(笑)

 

ストーリーも楽しかった。ただ、コメディ強めで軽い感じの話かと思っていたら、その中にかなり強めのメッセージが込められていて、思わず涙してしまった。油断した。

 

現代から「テレビとてれび戦士が消える」とか、原始時代で「娯楽が禁じられている」理由は、「歌手になりたいという夢に破れて、てれゾンビに洗脳されたハムラが、娯楽の"元凶"となったミーサを消そうとしている」というのが原因だった。

 

その中で「娯楽など無駄だ」「食べ物でも薬でもない、着るものでも住むところでもない娯楽が一番に切られる」といった主旨のセリフがたびたび出てきて、表向きは「夢破れた」設定だけど、この1年以上、コロナ禍で何度も言われてきた「不要不急」へのアンチテーゼなのだろうと思った。

 

緊急事態宣言では真っ先に劇場やライブハウスがやり玉にあげられ、そのあともずっとエンタメは衣食住に比べて「不要不急」扱いを受けてきた。

何度も何度も繰り返される緊急事態宣言やら蔓延防止等重点措置に翻弄され、決まっていた公演が中止・延期になるのを何度も見てきた。自分が行く予定だった公演であってもそうでなくても、心を痛めてきた。

生業としている当事者の方々のしんどさは、その比ではなかっただろうと思う。

 

「娯楽に救われたことがあるでしょう」「娯楽は無駄じゃない」というてれび戦士たちセリフは、このコロナ禍におけるエンタメ業界の人々の叫びだった。

 

ほんとにね、娯楽は必要ですよ。

去年なんて、舞台もライブも行けないのに労働だけするのかなりつらかった。

今年は去年よりずっとマシ。

今回楽しい舞台を見られて、心が満たされたので。

帰ってきてからずっと「楽しかったな~」と反芻している。

 

早くコロナが収束して、なんの不安もなく娯楽を楽しめる日が来ることを願っています。