これは厄介だっていう説もあるけど

すきなものについて雑多に語るブログです

関ジャニ∞ 冬18祭 福岡公演遠征記(5/21文学フリマ東京の告知を添えて)


12月の初日から3か月経ちましたが、書いたので載せます!

 

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 コンサート当日。新大阪から朝8時過ぎの新幹線に乗り、博多へ向かう。初日の同行者であるわにさんとは博多で現地集合だ。

 この日は朝から忙しかった。まず、スマホの充電器を忘れた。博多までの約2時間半で充電を使い切る自信しかなかった私は、新大阪駅構内のダイソーまで走った。しかし開店にはまだ早く、格安の充電器は手に入りそうもない。とにかく福岡まで充電を持たせるために、書店で短編集を買った。『20の短編小説』というアンソロジーで、好きな作家さんも名を連ねていた。

 買い物のあと向かった改札では、新幹線のEX予約で登録した交通ICカードがどれかわからず、立ち往生。出発ギリギリまでサイト上でSuicaを登録し直し、さながらコナンの爆弾処理シーンのような緊張感を味わうこととなった。全然スムーズちゃうやん!とドキドキしたが、登録したカードを忘れていた自分が悪く、サービス自体に罪はない。

 新幹線でようやく一息つけて、先ほど買った本を読んで過ごす。

 岡山駅の手前あたりでツイッターを見ると、なんと高校時代の友人が同じ新幹線に乗っているらしいことがわかった。彼女も関ジャニ∞のファンで、同じく博多に向かっているところだった。

 LINEで連絡を取ると車両がかなり離れていたので、新幹線を降りてから博多駅で会うことに。偶然ホテルの場所も近く、約2年半ぶりに話をしながら歩いた。この短時間で、10年以上の付き合いだというのに初めて知る互いの趣味の話もできて、楽しかった。

 ホテルに荷物を預け、コンビニでモバイルバッテリーがレンタルできるサービスを初めて利用し、充電もばっちり。

 昼は『博多ごまさば屋』へ。ここでわにさんと合流することになっていた。

 彼女は関ジャニ∞のおたくであるとともに、クッキングパパのおたくでもある。

 私が先に到着し、彼女が来るまでの間、勧められたクッキングパパのマンガを電子で読む。

 食事の計画は、全て彼女が組んでくれた。おかげで博多名物に無駄なくありつけることとなった。

 私は普段もまだ新型コロナの流行が心配で外食を極力避けているけれど、旅行でメインの食事を避けることはさすがに虚しいので、今回は久しぶりに外食を楽しむことにした。屋台は辞退したのでいつか行きたい。

 さて、『博多ごまさば屋』の話に戻る。

 ごまさばとフグの唐揚げと初っ端から欲張ることに。しかも無料の南蛮漬け(普通に一品のおかず)まであり、ボリュームがすごかった。

「福岡では魚を食べるのが正解だってクッキングパパで教わった」と言うだけあって、さばもフグも肉厚でおいしい。久しぶりに食べたフグの唐揚げ、食べすぎかと迷ったけれど、頼んでよかった。

 食事の後はクッキングパパの聖地である大濠公園へ。デートスポットとして作品に登場するらしい。

 季節は冬。寒いが白鳥ボートに乗りたいというおたくの気持ちはとてもよくわかるので、ぜひ乗ろうと公園へ向かった。

 ところがである。

 関ジャニ∞はライブの日、よく悪天候に見舞われる。今年の夏のスタジアム公演が快晴だったのが奇跡だと思えたほどだ。(ちなみにわにさんは東京初日に参戦して大雨に見舞われた。)

 この日も例外ではなかった。予報は雪。私たちが大濠公園に到着したときはまだ降っていなかったが、曇天もいいところであった。

 池のほとりにぎゅっと集められた白鳥ボートを見て、私たちは不安に駆られる。

「なんかさ……ボート、動いてなくない?」

「寒いから乗る人がいないだけじゃない?」

 希望を捨てずに乗り場へ向かってみるも、受付カウンターの窓は閉ざされていた。

 悪天候のため本日のボートは休止。

関ジャニ∞ってほんとこういうところ、あるよな~」と、二人してなぜか悪天候関ジャニ∞のせいにし、近くのスタバへ。しばらくだらだら話したあと、歩いてPayPayドームへと向かう。

 ドームの前に到着するころには雪が降り始め、いよいよ関ジャニ∞のライブらしくなってきた。

 座席はメインステージの上手寄り(1塁側)だった。近くもなければ遠すぎというわけでもない。

 

 ライブは、レトロな蒸気機関車に乗り込んだ関ジャニ∞の映像で幕を開けた。「スタジアム発ドーム行き」という列車がコンセプトだ。

「わあ、殺人事件とか起きそう」という物騒な感想をこぼしつつも、期待に胸を高鳴らせる。

 メンバー紹介映像のあと、安田君が車内にある「絶対に押すな」と書かれたボタンを押せば、制御ペンライトが発動した。

 今回から関ジャニ∞のライブでも初めて導入されたシステムで、客席に取り付けられた装置から各自が手にしているペンライトの色や点滅を制御され、演出をより効果的に見せる仕組みである。

 余談だが、私たちは客席に設置されたベルト型の制御ペンライト用の装置を見て、「これドームの客席にひとつひとつ付けたのか……ありがとう……」とスタッフの仕事に心底感謝した。

 警告音が響き、発動した制御ペンライトは客席一面を赤く染め、赤色灯のようにぐるぐると点滅する。

 1曲目は『歓喜の舞台』だった。

「待ちわびた今日に 繋いできた想い」というフレーズで始まる曲に、遠慮がちな歓声が上がる。

 関ジャニ∞のライブでは、この日から声出しが解禁されることとなった。コロナ禍で歓声やコールアンドレスポンス(歌の合いの手)を封じられて以来、ほぼ2年振りだ。

 歓声の中、関ジャニ∞の歌い出しはぐだぐだになった。それは準備不足といった理由ではなく、ただただ、久しぶりの歓声に動揺したらしかった。歌詞が飛び、なんとか立て直し、ライブがスタートする。

 歌詞が大好きな『へそ曲がり』が聴けて嬉しかったし、久しぶりの『EJ☆コースター』もテンションが上がる! 後の大阪公演で気づいたけれど、この曲の最中、メインモニターには黒いバーが出ている。なんだあれ……と注意深く見てみると、どうもジェットコースターの安全バーのようだった。乗ってる感を出してるらしいが、わかりづらくておもしろかった。

 さらに『がむしゃら行進曲』『無責任ヒーロー』『前向きスクリーム!』と盛り上げ曲が続く。余談ですが、このエッセイのサークル名「前向きエスケープ」は『前向きスクリーム!」をもじりました。

 そして夏の18祭でも開催された『アラフェス』のパクリもといリスペクトの『ハチフェス』コーナーへ。ジャニーズメドレーの始まりである。

 一曲目は『ダイヤモンドスマイル』! きらきらとしたイントロが流れた瞬間、物凄い歓声が上がった。私ものけぞるほどアガった。なにわ男子のYouTubeで何度も何度も見て、この曲ほしさに彼らのアルバムまで買ったほど好きな曲だ。なにわ男子のコンサートには行ったことがないため、初めて生でこの曲を見られて嬉しかった。アラフォーの関ジャニ∞は全力できらきらアイドルをやり切っていた。なかなか見られない姿を見られるのも、ジャニーズメドレーの醍醐味である。

 SixTONESの『Imitation Rain』ではしっとり踊り、SnowManの『ブラザービート』ではコミカルに魅せる。映画『おそ松さん』の曲らしいのだが、関ジャニ∞にあまりにも似合っていて、これきっかけでこの曲が好きになった。年末の歌番組で本家のパフォーマンスも見られたのだが、ラウール君の「お粗末です」には、さすがに「お粗末から一番縁遠いやろ」とツッコミを入れずにはいられなかった。

 二人でKinKi Kidsを歌うのが定番化している山田(丸山君と安田君)が今回披露したのは『シンデレラ・クリスマス』だった。夏と同じく、画面には手紙みたいな謎のメッセージが添えられ、「こっちへおいで こっちへおいで」というテロップがなんか怖い。と思っていたら横山君が登場し、Kis-My-Ft2の『Everybody Go』に。わにさんの考察いわく「Come on! Come on! Come on! Everybody Go! だから『こっちへおいで』なんだよ」ということで、読解力のすごさに脱帽。

 頭皮がオープンして造花が現れるヅラを被った横山君が、『花唄』を熱唱しながら何度もパカパカとヅラを開ける。映像で見なければ何を言っているのかわからないと思うが、関ジャニ∞のライブにはこういうカオスが存在する。さらに横山君は歌唱力を上げており、私たちは感嘆しつつ笑い転げた。

 ジャニーズの伝統、といった前置きのナレーションのあと披露されたのは、大倉君と村上君による少年隊の『まいったネ 今夜』だった。私は特大の悲鳴を上げた。関ジャニ∞でこの曲が見られるなんて、考えたこともなかった。

 続いて、King & Princeの『ichiban』はKREVA提供というだけあって、ヒップホップなナンバー。こういう曲も関ジャニ∞で見られるのはめずらしい。そして丸山君のラップが良い。カッコイイやん〜と素直に思っていたところ、この曲が選ばれた真の理由が明らかとなった。一列に並び、「俺が一番」「俺の方がもっと一番」と言いながら入れ替わっていくメンバーたち。これはあれだ。夏の18祭で披露された『キミアトラクション』の「俺がナンバーワン」の天丼だ。彼らはそれがやりたかっただけだったのだ。大笑いした。

 しかし、次の曲で私たちはさらに腹が捩れるほど笑うことになる。もはやこのジャニーズメドレーのサビはこの曲と言っても過言ではない。(この曲ありきで組まれたらしいので断じて誇張表現ではない。)

 黄色いのぼりに赤字で書かれた「肉貴族」の文字。『ニク食いねェ!』が始まった。もちろん『スシ食いねェ!』のパクリである。父親が鳥貴族の創業者であることを伏せることもなくなり、度々ネタにもしてきた大倉君だが、ここへ来てついに大々的にパフォーマンスへと昇華された。(主犯格は横山裕であることが後に判明する。)

 寿司ネタの歌詞を全て焼肉関連に置き換え、ステージ上のカウンターで、鳥貴族のせがれ・大倉君が丸山君に焼肉を振る舞う。丸山君は歌に合わせて肉を口に詰め込み、今度こそ喉を詰めるのではないかと心配した。夏は寿司だったが、寿司より飲み込みにくそうである。実際に2曲後でもモグモグしている公演もあった。

 翌日一緒に入った友人・たえちゃんは、これを見ながら「なにこれ」「やばい」と困惑していた。彼女の担当であるSexyZoneやなにわ男子のステージではこんなことをしないらしい。

「おやじ、ハウマッチ!?」「280万円」のやり取りのあと、始まったのはKinKi Kidsの『たよりにしてまっせ』。

 夏の18祭で「『Hey Hey おおきに毎度あり』と『たよりにしてまっせ』と『買い物ブギー』って同じジャンルやんな」という感想を残していた私は、「ほら見ろ‼︎」みたいな気分になった。画面上には、金の亡者みたいな村上君の顔がいくつも並び、パチンコのフィーバーみたいな映像が流れる。たえちゃんは笑いながらも「こわいんだけど」「風邪ひいたときに見る夢」と言っていた。これもSexyZoneやなにわ男子では見られない演出のようだ。

 突然しっとりとした雰囲気に切り替わり、『台風ジェネレーション』へ。しかし切ないイントロの中、メインモニターには肉貴族ののぼりが並んで揺れており、たいへん趣深い。

 村上君が囁くような独特のリズムのラップを紡ぐ後ろで、口一杯に焼肉を詰め込んだ丸山君は、まだモグモグモグモグしている。切ない『台風ジェネレーション』を関ジャニ∞の色に塗り替えまくっていた。

 ここで私は油断していた。嵐が一曲終わって、「ああおもしろかった、そろそろシメかな〜」と思っていたら、もう一曲、嵐の曲が始まったのだ。まさかの『Monster』である。ダークな雰囲気の映像を背景に、ふざけることもなく、しっかり踊って急にめちゃくちゃカッコイイ。私は脳がバグりすぎて「まじで『truth』イイ……」と心の中で口走っていた。それは別の曲です。ちなみに2日目、サビの「僕の記憶が全て消えても」という歌詞を村上君が盛大に間違え「ぼきの記憶が」と歌ってしまい、MCで「簿記」といじられていた。

 最後はお決まりの『ええじゃないか』でシメとなり、狂気のジャニーズメドレーは幕を閉じた。

 続いて、暖色系のコートなど冬のデート服っぽい衣装で現れ、ライブが12月中旬だったこともあり、クリスマスソングの『キミへのキャロル』に。そして明るい曲調の『サタデーソング』を歌いながら、トロッコで客席を回る。ちなみに年明けの大阪では、ここの曲がかなり懐かしい『ありがとう。』と『モノグラム』に変更となっていた。

 久しぶりの『ナントカナルサ』も好き! このときのメインスクリーンのデザインがポップでかわいかった。

 元気な曲が続いたあとはしっとりと『キミトミタイセカイ』で締めくくられ、前半戦終了。

 ここからはMCに入ったのだが、おもしろかったことしか覚えていない。なんかすごい笑った記憶だけある。これを書くにあたって友人とも「どんな話してたっけ?」「おもしろかったことだけは確かなんだけど」というやり取りをした。

 初日は、久しぶりの声出しでびっくりして開始早々、歌詞飛んじゃったね、みたいな話はしていた。「うわ!ってなった」とのことだった。2日目は、「ジャニーズメドレーのichibanの振付が全然そろわなくて、キンプリが一番やったら俺らは45番ぐらい」などの話をしていた、というのを、これを書きながら友人に教えてもらって、「そういえばそんな話してたわ!」となった。

 トークのあとは、また映像へ。「200X年、エイトシティ……」と定番のスターウォーズのオープニングパロディのような字幕が流れてきて、私たちは「もう20XX年なんだわ……」と、このコントが生まれてから経過した年月に思いを馳せた。

 今やジャニーズWESTとなった中間君と桐山君による悪の組織B.A.D団は今回も駆り出され、「ふはは!」みたいな映像が流れる。ちゃっかりDVDとYoutubeチャンネルの宣伝を挟んだが、さすがに本編には出られないので、ステージ上には今回バックについた関西ジャニーズJr.のAmBitiousの3人が悪の組織として姿を現した。悪ガキって感じでかわいい。

 エイトレンジャーによるコント『センターはオレだ!』が始まる。これは2020年に大阪松竹座からの生配信で行われた無観客ライブのリベンジだ。当時は大倉君が体調不良で欠席したため、4人で奪い合う必要のないセンターを奪い合う、という事態が起きたが、今回は5人そろったため、めでたくセンターを奪い合うことができた。

 これもまた相当笑った記憶があるのだが、何の話をしていたかは思い出せない。丸山君扮するオレンジが支離滅裂な発言を矢継ぎ早に繰り出し、だいたいそれで大笑いするのだが、あまりに支離滅裂で文脈がなく、あとから記憶を掘り起こせないのだ。当日の帰り道でさえ私たちは「オレンジ何言ってたっけ」「エビが、エビぞりで、エビチリとか……」「何の話だっけ」となっていた。2日目は、絶好調のオレンジに笑いすぎて腰が抜け、流れを変えようとしたブルー(安田君)が盛大にセリフを噛み、立っていられないほど笑う私の背中をたえちゃんがさすってくれたことを覚えている。

 悪の組織AmBi団から攻撃を受けたエイトレンジャーは、必殺技を繰り出すために合体! 中央でオレンジが口を大きく開ける。同世代の友人たちと「セーラープラネットアタックみたい!」と、アラフォー男性たちの組体操に沸いた。

 「みんなの力を分けてくれ!」的なセリフとともに、メインモニターには「ペンライトのボタンを押してね!」と案内が出た。どうやら、パワーを送るために各自でペンライトのボタンを連打するらしい。

 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ! 

 懸命に連打すると、モニター端のパワーゲージが溜まっていく。さながら「プリキュアがんばれ~!」である。

 そしてここでひとつ面白いのは、このコンサートで使われているのは、制御ペンライトだということだ。

 スタッフ側の制御でいくらでも派手な光の演出が可能だろうに、私たちは一心不乱に手動でペンライトのボタンを押し続けた。ただつけたり消したりしているだけである。それが妙に楽しい。大人になっても「プリキュアがんばれ~!」は楽しい。

 ゲージが溜まると必殺技が発射され、光の演出でAmbi団にビームのようなものが届き、特殊効果の火花が上がった。

 センター争いも悪の組織との戦いもハッピーエンドを迎え、「お天道様も笑ってらぁ!」のセリフに合わせて、モニター上に八重歯を覗かせて笑う太陽が大写しになる。

 かと思えばそれが徐々に村子の笑顔に切り替わって、関ジャニ∞の妹分・キャンジャニ∞の映像が流れた。

 初日に一緒に入ったわにさんは、キャンジャニ∞が大好きである。「よかったね!」と登場を待っていたら、「私たちの発表、みなさん受け入れてくれるかしら」というセリフとともに、モニターにはこれまでのキャンジャニ∞のパフォーマンス映像のダイジェストが映った。

『CANDY MY LOVEから7年……』

 もはや走馬灯。私はサッと青ざめた。

 もしかして、解散? 活動休止? 私はこれからわにさんをどうやって慰めたらいいんだ?

 そんな私とは正反対に、彼女は「新曲……!?」と期待に満ちている。性格の違いを改めて感じた瞬間であった。

 あとからこの話をすると「普通、初日に解散とか言わない」と現実味のある解釈を教えてもらった。

 彼女の期待通り、新発表は新曲についてだった。しかもなんと、秋元康氏が作詞提供。振付も、数々のアイドルを手がけてきたTAKAHIRO氏が担当ということで、ひざ下丈の新衣装で現れたキャンジャニ∞ちゃんは、本当に〇〇坂系のアイドルのようだった。

 新曲のタイトルは『ないわぁ~フォーリンラブ』で、ライブの時期にはリリース未定だったが、これを書いている3月現在、ついにCD化されることが発表された。めでたい! 2023年5月10日発売の関ジャニ∞『未完成』に収録されます。

 

(ブログなのをいいことにURLを貼っておく)

www.infinity-r.jp

 

 次はAmBitiousのコーナー。ジャニーズJr.の誰もが通ると言っても過言ではない『Can do! Can go!』を、久しぶりに生で見ることができて嬉しかった。そして関西ジャニーズJr.定番の『バンバンッ!!』へ。ジャニーズWESTの曲としてリリースされていることを最近知った。彼らのデビュー前に関ジュのコンサートでやっていた記憶があり、馴染みがあって好き。

 関ジャニ∞が登場し、次の曲は『Snow White』。安田君と錦戸君の共作だったので、錦戸君が脱退した今でも歌ってくれるんだ!?と驚いた。冬にぴったりで好き。そして『Black of night』へ。勝手に「白黒繋がりなのかな」と思っている。『Black of night』は、コナンのOP曲っぽくて好きです。

 さらに『Dye D?』で畳みかけてきたのが意外ですごかった! 私はこういうダークで派手な曲が大好きで、ジャニーズメドレーの『Monster』ですでに満足していたのに、『Black of night』に『Dye D?』まで見られるとなっては、もう追い打ちもいいところ。このタイプの曲が一度に3回も見られるのはおいしすぎる。

 再び、蒸気機関車の映像がモニターに流れる。足音やティーカップとソーサーがあたる音、本を閉じる音、スルメを焼く音(何を言っているかわからないと思うが蒸気機関車の中でスルメを焼いている)、数々の音が徐々に重なって、リズムを奏で始める。日用品パーカッションとかいう名前があるらしい。ほうきを手にした安田君がかき鳴らす仕草に合わせて、ギターの音が響く。バンドパート突入の印だ。

 メインモニターが真ん中で左右に割れ、中から楽器を手にした関ジャニ∞を乗せ、ムービングステージが登場。

 バンドパートは『宇宙に行ったライオン』で幕を開け、アリーナ席の頭上を横切って、可動式のステージが少しずつ客席後方へ移動していく。

 元に戻ったモニター上では、コマ取り風のライオンの映像が流れていた。最近でいえば『ぷいぷいモルカー』、昔馴染みの作品でいえば『ニャッキ』のような、あれである。

 そしてこの一ヶ月前、もう一人、同じような映像を公開した男がいた。錦戸亮だ。彼の『ノクターナルアニマルズ』という曲のMVも、動物モチーフのコマ撮りだったのだ。本人たちはおそらく全然意識していないだろうけど、偶然の繋がりにテンションが上がった。

『応答セヨ』『ここにしかない景色』と続き、『ズッコケ男道』へ。バンドスタイルの『ズッコケ男道』、かっこよくて好き。村上君がショルダーキーボードを手にして、ドラムの大倉君以外はトロッコで楽器を演奏しつつ、各方面へ散る。

『勝手に仕上がれ』では、「KANJANIEIGHT!」の掛け声も久しぶりにすることができ、思わず涙ぐんだ。私は正直、声など出せなくても十分すぎるほど、関ジャニ∞のライブは楽しいと思っていた。実際、楽しかった。

 まだフェイスシールド装着が義務付けられており、笑い声すら押し殺して笑った2022年1月の『∞BEAT』も、コールアンドレスポンスは禁じられていた夏の18祭も、本当にただ「声を出してはいけない」という点がいつもと違っているだけで、そのせいで関ジャニ∞のライブの魅力が損なわれているだなんてふうには思わなかった。出せないなら出せないで仕方ないし、出していいなら出すか、くらいの気持ちだった。

 けれども、久しぶりに観客の声を聞けた関ジャニ∞は、とても嬉しそうだった。

 そのときしみじみと、アイドルって、私が思っていたよりもファンのことを好きなのかもな、と思った。

 どこかで「ファンやおたくというのは気持ち悪がられる存在なのでは」という気持ちを抱き続けていたし、ステージに立つ人々の感謝の言葉や、(関ジャニ∞はあまり言わないが)甘いメッセージを「営業スマイル」の一種だと受け取っていた。別にネガティブな意味ではなく、「仕事上の挨拶のようなもの」だと思っているだけだ。コンビニ店員が買い物客に言う「ありがとうございました」の、上位互換みたいなものだと。

 ところが、どうやらそういうわけでもなかったらしい、というのを、今回のツアーで実感した。

 声出しOKとなった客席を何度も煽り、満足げに客席を見渡して、安田君は「かわいい」と言った。

 疑似恋愛を思わせるような言葉ではなく、赤ちゃんに対するような、慈愛に満ちた言い方だと思った。ファンに対してそういう種類の好感を持っているのかと、なんだか意外だった。コロナ禍による発声禁止を経ていなければ、自分の中にうっすらとあった偏見は、そのままになっていたかもしれない。

 しかし、彼らが楽しそうに「もっと声出せ!」と何度も煽る「ニーニニニー」というコールは、音がめちゃくちゃ低いのである。加えて、口を横に細く伸ばす「ニ」は発声しづらく、喉がやられる。思ったよりも客席の声が小さかったのか、関ジャニ∞は「もっと」「まだいける」とスパルタ指導を始めた。前日Sexy Zoneのコンサートに参戦していたたえちゃんは「部活?」と言っていた。確かにSexy Zoneとは文化が違いそうだ。

「声出したい気持ちはあるけどシンプルに低いねん」と思っていたところ、2日目では安田君が「低いよね」と気づきを示してくれた。

 次に流れたイントロは、とても懐かしい音だった。私は久しぶりに耳にしたイントロに沸き、「わ~っ!懐かしい!これなんだっけ!」とタイトルも浮かんでいないのに喜び、隣のわにさんに尋ねた。「『愛でした。』だよ」と教えてくれた。

 最後の挨拶をはさみ、『ひとつのうた』へ。私はこの曲を聴くと、なぜだか10年前のスタジアムライブ、8ESTを思い出す。それまでしばらく関ジャニ∞から離れており、久しぶりのライブで、確か初めて耳にしたのだと思う。翌日の公演が中止になるほど台風が接近していた野外の雨の中、良い曲だなと思った。なんとなく、この歌は『無限大』の次の段階の曲だと思っている。『無限大』では8人だった関ジャニ∞に思いを馳せるが、『ひとつのうた』では7人の関ジャニ∞を思い描く。それを5人で歌うことに意外性を感じたのだけど、それは否定的な意味でもなんでもなく、ただただ「5人でもこの曲を歌うことがあるんだな」と思った。『無限大』だって同じように歌われているので別に何もおかしくはないのだが。彼らが定番のシングル曲以外に7人・6人だった頃の曲を歌うとき、私はそのたびに過去からひとつ踏み出したような印象を受ける。本人たちが過去の人数やイメージからの解放を得ようとしているのか、ただ歌いたい気分だからセトリに入れたのかはわからない。それでも私は、そのたびに彼らが5人の関ジャニ∞というピースをひとつずつ積み重ねているように思えて、それを応援したい気持ちになるのだ。

 と、感傷的なことを述べたが、アンコールの一発目は『TAKOYAKI in my heart』! これまた7人時代の曲でメンバーの特徴に合わせたそれぞれのパートがあるので「どうやんの!?」と思ったところ、見事にその部分は避けてサビだけで盛り上げていた。そのあとも『なぐりガキBEAT』『あおっぱな』と盛り上がる系の曲が続き、今回のライブは終了となった。ちなみにアンコールの3曲は、大阪では『夢列車』『TAKOYAKI in my heart』『T.W.L』だった。『夢列車』も久しぶりに聴いたな。蒸気機関車型のトロッコに乗って登場するのにぴったりな曲だった。

 関ジャニ∞のライブはいつも、「最高で」「フゥ~!」「最強の」「フゥ~!」「関ジャニ」「エイトー!」という掛け声と銀テープの発射で幕を閉じる。

 この「フゥ~!」を久しぶりにできたのが嬉しかったな。

 ちなみにこの掛け声のときには客席が全員手を繋ぐのが定番だ。

 初日も「じゃあ、手を繋ぎましょうか」という言葉に「えっ、いいのか……?」と戸惑いつつ、久しぶりのしきたりを歓迎した。友人とは手を繋ぎ、赤の他人である反対隣の方とは「一応直接はやめときましょうか」とペンライトを刀の対戦のように交差させた。終わったあとも、「とりあえず消毒はしとこう」とすぐにそれぞれ除菌ティッシュで手を拭いた。

「これ怒られるんちゃう?」と話していたら、翌日は「いつもは手を繋ぐところだけど……察してくれ!」という発言に代わり、「これはほんまに怒られたな」と面白かった。

 実際怒られたかどうかは定かではないし、もしかしたらメンバー間で話し合いになっただけなのかもしれない。それに、衛生観念に気を配らなければならないこのご時世、もちろん笑いごとではないのかもしれない。

 けれど、もうお互いすっかり大人になった自分より年上の兄ちゃんたちが、久しぶりの発声可能な公演で楽しくなって、同じくコロナ前のように手も繋いじゃおうかと言ってしまった気持ちと考えると、それさえも愛おしく感じるのだった。

 

 

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5/21(日)の『文学フリマ東京36』に出店できることになりました!

 

サークル名:前向きエスケープ

 

・開催    2023年5月21日(日)
・時間    12:00〜17:00
・入場料    無料

東京流通センター 第一展示場・第二展示場Fホール

bunfree.net

 

ブース番号などの詳細はまだ出ていないので、日が近づいたら改めて告知します。

 

このイベントで、前回の無職エッセイ『華のお暇』に引き続き、転職してから今までに遊んだことをつづったエッセイ『華の休日』を出そうと、書いている最中です。

 

その中で、2023年12月・1月に参戦した関ジャニ∞ 18祭の話もあるのですが、これはブログにも載せたいので、先にここへ載せることにしました。

 

・一部、編集中に加筆修正・変更はする予定。

・本にはライブ後の博多旅の話も続きます。

・本に写真は載せません。せっかくブログなので載せただけ。

文学フリマには既刊『華のお暇』+新刊『華の休日』を持ち込みます。

・前回と同様、通販も予定しています。